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表象としての美術、言説としての美術史 : 室町将軍足利義晴と土佐光茂の絵画
https://doi.org/10.24795/0002000711
https://doi.org/10.24795/0002000711b0b2b70e-4511-4640-aa0f-d0f3b8cdee47
Item type | 図書 / book(1) | |||||
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公開日 | 2025-04-04 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 表象としての美術、言説としての美術史 : 室町将軍足利義晴と土佐光茂の絵画 | |||||
言語 | ja | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_2f33 | |||||
資源タイプ | book | |||||
ID登録 | ||||||
ID登録 | 10.24795/0002000711 | |||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||
著者 |
亀井, 若菜
× 亀井, 若菜 |
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書誌情報 |
発行日 2003-12-15 |
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ISBN | ||||||
識別子タイプ | ISBN | |||||
関連識別子 | 9784434036446 | |||||
書誌レコードID | ||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||
収録物識別子 | BA65059090 | |||||
出版者 | ||||||
出版者 | ブリュッケ | |||||
言語 | ja | |||||
出版タイプ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||
内容記述 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 亀井 若菜『表象としての美術、言説としての美術史 ─ 室町将軍足利義晴と土佐光茂の絵画』 (ブリュッケ、2003年) 本書では、室町第12代将軍足利義晴が発願し、土佐光茂が絵を描いて作られた「桑実寺縁起絵巻」(1532年作)、および、同様の制作事情が推測されるサントリー美術館蔵「日吉山王・祇園祭礼図屏風」について考察した。さらに、近代の美術史言説の中で土佐光茂らがどのように語られてきたのか、それはなぜか、また光茂は「絵所預」を名乗っていたが、室町時代の「絵所」の実態はどのようなものであったのかについても考察した。 第1章 室町時代の土佐派をめぐる言説 第1節 土佐派衰退の言説について─ジェンダーの視点からの分析 本節では、近代以降の美術史言説の中で、土佐光茂を含めた室町時代の土佐派の絵の評価が1975年頃まで低かったことを示し、その言説の源として、狩野永納が著した『本朝画史』(1695年)があることを指摘した。 この書で「狩野」は、「倭」と「漢」を兼ね備えるもの、つまり和漢融合を果たして高みに上ったとされる。そのような書の中で、「土佐」は「倭」の代表とされるのだが、その「土佐」には「古風」で「女性」的であるという性格が付されていることが判明した。この書で「土佐」を「女性」というジェンダーで語る最たるものが、土佐光茂の娘と狩野元信との結婚である。実際には土佐の絵師はその後も続くのにもかかわらず、本書では土佐の最後の絵師を女性である土佐光茂の娘とし、狩野元信がその娘を妻としたとするのである。それにより、狩野が絵所預という土佐の役職も血筋も吸収し、土佐は衰え狩野が栄えたと語ろうとする意図があることが推測された。このような『本朝画史』の語りが、明治以降もそのときどきに求められる美術観と関係しながら継承されたため、土佐派の絵がある時期まで低く評価されたのだと考えられる。それらの様相を詳述した。 第2節 室町時代における「絵所」の再検討 本節では、絵所について考察した。絵所は「宮廷絵所」という言葉で語られることも多い。確かに、平安時代には内裏の中に絵所があった。しかし鎌倉時代以降の文献で、絵所の組織や場所、絵所絵師の権利や義務などを明確に記述するものはなく、その実態を知ることは難しい。しかし現存する資料から推測するならば、宮廷内に絵所があったわけではなく、内裏の外にある民間の工房が宮廷の仕事にも進出し、そのリーダーが「絵所預」という立場を得て有利な工房経営をしていこうとしたことが窺えた。土佐光信は特にその立場を意図的に利用し、活動の場を広げ名声を高めたのだと考えられた。 第2章 「桑実寺縁起絵巻」について 第2章では、「桑実寺縁起絵巻」を取り上げた。この絵巻の詞書では桑実寺の縁起が語られ、全7段の絵は、その物語に即してそれぞれ描かれているのだが、各図像の意味を探り7段分の絵を総合して考えたところ、絵の新たな意味が見えてきた。すなわち7段分の絵で、桑実寺が都のごとき場所として繁栄する様を見せようとしていることが明らかになった。絵巻の発願者である足利義晴はこの頃、敵対勢力の進出により京都を逃れ近江の桑実寺に仮寓していた。絵巻の7段分の絵は、そのような義晴が拠点としていた桑実寺の実景をも描写しながら、義晴にとっての桑実寺のあるべき姿、理想的な姿を構築するものであると考えられた(考察の過程で、下巻第1段の景観表現が、実際に桑実寺の本堂裏手から見える景色に基づいて描かれていることが判明した)。この絵巻は従来、絵師土佐光茂の絵として様式分析が行われることが多かったが、本書では注文主である義晴が見たかった表象として絵を分析した。さらに、この絵巻制作の意味をジェンダーの観点からも捉えることを試みた。 第3章 サントリー美術館蔵「日吉山王・祇園祭礼図屏風」について 第3章では、サントリー美術館蔵「日吉山王・祇園祭礼図屏風」を取り上げた。この屏風で特筆されるのは、京都と近江の坂本を舞台とする2つの祭りが、同じ大きさの画面に描かれ、組み合わされていることである。そのような例は他にはなく、両者を重要視する者の関与が推測される。考察の過程では、まず、各祭礼を描く各隻の表現を詳しく見て、祭礼や土地の様子の何をどのように描いているかを分析した。その結果、祇園祭礼隻では祇園祭の全貌を描くことに、日吉山王祭礼隻では唐崎の松をシンボルとする坂本の町の豊かさを描くことに、重点が置かれていることが判明した。そして、祇園祭を重要視した室町将軍が祇園祭に関わってきた経緯や、坂本と関わりのあった将軍についても詳しく調べた結果、この屏風も将軍足利義晴が見るにふさわしいものとして描かれていると結論づけた。この屏風には「桑実寺縁起絵巻」と類似する表現や意図が見られ、主題や形式の異なる作品にも、共通する注文主の意識が反映されていることも論じた。 本書は、絵巻や屏風の絵を、注文し享受した者の立場から検討し、ジェンダーの観点を含めて考察した日本美術史の研究の成果である。 |
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言語 | ja | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 日本美術史 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 美術史 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 日本美術 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 美術 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 美術史研究 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | ジェンダー | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 本朝画史 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 和漢融合 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 絵所 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 宮廷絵所 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 土佐派 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 狩野派 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 室町将軍 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 足利義晴 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 土佐光茂 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 桑実寺 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 実景 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 祇園祭礼 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 日吉山王祭礼 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 唐崎の松 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 桑実寺縁起絵巻 | |||||
主題 | ||||||
言語 | ja | |||||
主題Scheme | Other | |||||
主題 | 日吉山王祇園祭礼図屏風 | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 |