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アイテム
ポリスチレン射出成形品における非晶構造の緩和と物理的耐熱性の関係に関する研究
https://doi.org/10.24795/24201k129
https://doi.org/10.24795/24201k129248265a2-f69f-4ccd-858f-da88f4729e26
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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全文
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要旨
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertati(1) | |||||||
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公開日 | 2023-07-13 | |||||||
タイトル | ||||||||
タイトル | ポリスチレン射出成形品における非晶構造の緩和と物理的耐熱性の関係に関する研究 | |||||||
言語 | ja | |||||||
言語 | ||||||||
言語 | jpn | |||||||
資源タイプ | ||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||
ID登録 | ||||||||
ID登録 | 10.24795/24201k129 | |||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||
著者 |
垰, 幸作
× 垰, 幸作
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学位名 | ||||||||
言語 | ja | |||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||||
学位授与機関 | ||||||||
言語 | ja | |||||||
学位授与機関名 | 滋賀県立大学 | |||||||
学位授与年月日 | ||||||||
学位授与年月日 | 2023-03-21 | |||||||
学位授与番号 | ||||||||
学位授与番号 | 甲第129号 | |||||||
内容記述 | ||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||
内容記述 | 工課第23号 | |||||||
言語 | ja | |||||||
内容記述 | ||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||
内容記述 | 近年,環境負荷低減を目的とした,樹脂部品の無塗装化の要求が増えている.代表的な非晶性樹脂であるスチレン系樹脂は,汎用性および透明性に優れるため,無塗装用途での使用が期待される.他方で,様々な部品に展開するために,物理的耐熱性の向上が重要な課題である.本論文では,ポリスチレン射出成形品の耐熱性向上における新たな設計指針を確立することを目的とし,ポリスチレン射出成形品における非晶構造と物理的耐熱性の関係を解明することを試みた. 第1章では,環境負荷低減における非晶性樹脂の役割と,自動車樹脂部品における要求特性,ならびにスチレン系樹脂の特徴を整理し,スチレン系樹脂の今後の用途展開にあたって物理的耐熱性の向上が課題であることを論じた.また,非晶性樹脂の射出成形品における非晶構造と物性の関係,および非晶性樹脂の耐熱性向上に関する国内外の研究事例を纏めることにより,粗密状態や分子配向の変化が耐熱性と関係する可能性を導いた.さらに,非晶構造の緩和現象に関する研究事例や,耐熱性向上における従来手法の課題,非晶構造の制御による品質向上に関する特許出願事例から,研究意義を論じた。 第2章では,ポリスチレン射出成形品のHDTがTg以下での熱処理により上昇することが明らかとなった.未処理試験片では60℃付近からE”およびtanδが増大した一方で,熱処理後ではそれらの増大は見られなかった.昇温過程でtanδが0.05になるときの温度とHDTに正の相関が見られ,tanδを用いたHDTの予測式を考案した. また,エンタルピー緩和とHDT上昇における熱処理温度依存性の比較から,HDT上昇にはエンタルピー緩和が関係していると考えられた.その一方で,エンタルピー緩和の進行が見られなかった短時間での熱処理においてもHDTは大きく上昇し,エンタルピー緩和以外にもHDT上昇の要因となる構造変化が生じている可能性が示唆された. 第3章では,分子配向状態の解析手法を検討した.直交ニコル配置にて,試験片における流動方向とレーザー光の偏光面とのなす角度θaを45°としたときの1000cm⁻¹および620cm⁻¹のピーク強度比I₁₀₀₀/I₆₂₀,θₐ₌₄₅°を配向度の目安とした.また,θaが 45°において,レーザー光の偏光面に対する検光子の角度θbを変えたときの,I₁₀₀₀/I₆₂₀,θₐ₌₄₅°の変化から配向方向を解析した. ポリスチレン射出成形品の厚さ方向において,表面から 400µm付近にて配向度が最も高く,400m以深は比較的低配向であった.また,全体的に流動方向に配向していることが示唆された.Tg以下である 80℃で熱処理した場合,配向方向に変化は見られず,表面から400µm以深における配向度の低下のみが確認された.したがって,Tg以下での熱処理において,I₁₀₀₀/I₆₂₀,θₐ₌₄₅°の低下で分子配向の緩和を解析できることが示唆された. 第4章では,Tg以下では表層から400µm以深の分子配向が低下し,熱処理温度が高いほど緩和が進行することが明らかとなった.成形品の表層付近における分子配向は充填過程で生じており,加熱収縮の挙動から高分子鎖が伸長していると考えられた.その一方で,内部(コア層)における分子配向は保圧過程で生じており,高分子鎖のランダムコイルが扁平していると推察された. 未処理試験片において,昇温過程で60℃付近から配向緩和が生じた.コア層における残留分子配向を熱処理であらかじめ緩和させておくことで,60℃付近からの配向緩和やtanδの増大が生じなくなった.したがって,未処理試験片でのみ見られた60℃付近からのtanδの増大は,分子配向の緩和における分子運動を表していると推察され,コア層の配向緩和がHDT上昇と関係することが示唆された.また,熱処理以外の非晶構造制御によるHDT上昇の手法として,金型温度の上昇が有効であることを見出した. 第5章では,エンタルピー緩和の進行に伴い,補外ガラス転移開始温度の上昇や,Tg近傍におけるE’低下温度の高温シフトが生じることが明らかとなった.エンタルピー緩和が進行した場合は,Tgに近い温度域における熱物性や動的粘弾性に変化が生じると考えられる.また,エンタルピー緩和の進行に伴い,密度が増大した.したがって,エンタルピー緩和の進行とともに高分子鎖のパッキングが進行した結果,Tg近傍における高分子鎖のセグメント運動が抑制され,熱物性や動的粘弾性の変化が生じたと推察される. また,熱処理におけるHDT上昇が分子配向の緩和やエンタルピー緩和と関係したことから,熱処理によるHDT上昇の速度式を導いた.さらに,Tgの異なるポリスチレンを用いて,エンタルピー緩和やHDT上昇の熱処理温度依存性を検証し,HDT上昇における最適な熱処理温度はTgとの温度差に依存することが明らかとなった. 第6章では,第2章~第5章で得られた知見について総括し,研究成果の波及効果や,非晶構造の緩和によるポリスチレン射出成形品の耐熱性向上に関する今後の方向性について論じた. | |||||||
言語 | ja | |||||||
著者版フラグ | ||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||
アクセス権 | ||||||||
アクセス権 | open access | |||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 |