{"created":"2024-10-18T09:33:58.232202+00:00","id":2000660,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"7a39bf0a-9f81-4364-8250-8d2f7f8910b2"},"_deposit":{"created_by":11,"id":"2000660","owner":"11","owners":[11],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2000660"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:usp.repo.nii.ac.jp:02000660","sets":["1719211153612:1719211374765"]},"author_link":[],"control_number":"2000660","item_1617186331708":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"植食性昆虫ミバエ類における寄主利用決定要因の解明","subitem_title_language":"ja"}]},"item_1617186385884":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"Determinants of host utilization in tephritid fruit flies(Diptera: Tephritidae)","subitem_alternative_title_language":"en"}]},"item_1617186419668":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"久岡, 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第2章からは、B.carambolaeとB.dorsalis対象として研究をおこなった。B.dorsalisがマンゴーを、B.carambolaeはスターフルーツを主要寄主とすることが報告されている。本章では、まずインドネシア・ジャワ島でB.carambolaeとB.dorsalisの天敵である寄生蜂を調\nした。さらに、既存研究で報告された幼虫の発育パフォーマンスを組み込んで、総合的な果実の質を求めた。これらの結果から、マンゴーは寄生蜂からの寄生圧が低く、発育パフォーマンスも高い好適な寄主植物であることが示された。しかし、この傾向は2種ミバエで共通していることから、それらの寄主植物利用は軍拡競走説や天敵回避説では説明できなかった。\n 第3章では資源競争説を検討した。同一果実上でB.carambolaeとB.dorsalisの幼虫を飼育し、その発育の比較、幼虫間闘争の検証をおこなった。その結果、幼虫間の資源をめぐる競争は緩やかなものであり、B.carambolaeがやや優位であるなど、好適な寄主植物であ\nるマンゴーをB.dorsalisが独占している野外の状況を説明できないことが示された。\n 第4章では、B.carambolaeとB.dorsalisとの間にはたらく繁殖干渉を検証した。その結果、繁殖干渉においてB.dorsalisが優位であり、その効果はB.carambolaeの繁殖をほぼ完全に抑制しうるほど強いことが示された。第2章からの検討の結果、B.carambolaeとB.dorsalis\nの寄主利用パターンは、軍拡競走説、天敵回避説、資源競争説のいずれでも説明できないが、繁殖干渉説を組み込むことでうまく説明できることが分かった。\n 第5章からは、B.latifronsを対象として研究をおこなった。これまでに、与那国島ではじめに発見された個体群(与那国個体群)と沖縄島で発見された個体群(沖縄個体群)では寄主植物利用が異なることが示唆されていた。本章では、複数の寄主植物に対する産卵選\n好性を定量的に評価した。その結果、この2個体群の寄主選好性は明確に異なることが明らかになった。\n 第6章では、寄主植物利用が異なる2個体群が別の系統であるかを、遺伝学的な観点から検証した。沖縄県のほぼ全域で採集されたB.latifronsの標本を対象として、ミトコンドリア・核遺伝子の一部の配列を決定し、分子系統解析をおこなった。その結果、2個体群は異なるハプロタイプをもつことが支持され、沖縄個体群の配列は、イタリア、マレーシアで報告されたものに類似することが示された。\n 第7章では、B.latifronsの与那国、沖縄両個体群の配偶行動を観察し、個体群間での行動の違いや個体群間での相互作用を定量的に評価した。その結果、2個体群間には性的相互作用が存在し、その相互作用は非対称であることが示された。すなわち、両個体群のオスはいずれの個体群のメスにも求愛するが、沖縄個体群のオスとの交尾は両個体群のメスの産卵数を減少させる傾向があった。このことから、この2個体群間には種内における繁殖干渉のような現象が存在することが示唆された。\n 第8章では、前章までに得られたすべての結果を総合的に考察した。ミバエ類では寄主選択に加えて、競争排除や資源分割、側所分布などが数多く観測されている。これらの現象については様々な観点から個別に検討されてきたが、メカニズムの解明には至っていな\nかった。本研究で得られた知見にもとづき、植食性昆虫ミバエの寄主利用や分布拡大は、繁殖干渉が鍵要因となり他の要因と相乗的に働くことで、統一的に説明されることを議論した。また、併せてこのメカニズムを応用したミバエ防除法についても議論した。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_1617186702042":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_1617265215918":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_1617604990215":{"attribute_name":"File","attribute_type":"file","attribute_value_mlt":[{"accessrole":"open_access","date":[{"dateType":"Available","dateValue":"2024-10-18"}],"filename":"24201o035_shinsakekka.pdf","filesize":[{"value":"150 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